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また、僕は恋をした 1話出会い
 

伊藤 要(いとうかなめ)・・・彼女を亡くした少年 高校2年生
井坂 健吾(いさかけんご)・・・要とは中学生の時からのよしみ 高校2年生
田中 鈴(たなかすず)・・・健吾と同じく、要とは中学生の時からのよしみ 高校2年生
畑中 美羽(はたなかみう)・・・彼氏を無くした少女 高校2年生

 

名前のみの登場

千夏(ちなつ)・・・伊藤要の元彼女。交通事故により、命を落とす

 

伊藤♂:

井坂♂:

田中♀:

畑中♀:

先生♂:(兼任)

母♀:(兼任)

 

※男性は井坂と先生を兼任にするといいかもです。

途中で、連続でセリフが続くのが1つありますが、少し間があっても変ではないのでいいかと

※女性は田中と母が兼任するのがいいかもです。しばらく、セリフがないので

 

※今後話が進むにつれて、キャラクター情報は増えていきます。

※何か疑問がありましたら、問い合わせの方よろしくお願いします

 

約20分くらいの台本です。
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(SE :車にはねられる音)

伊藤 :そんな…嘘だ…嘘だと言ってくれ。なぁ、千夏!!頼む、頼むから……

間(SE :目覚まし時計の音)

伊藤M :はぁ…千夏がいないとわかってる朝は…こんなに辛いんだな。

      死にたい…死にたいよ…僕は、このあとの人生…あと何回この苦しみを感じなきゃいけないんだ…

     千夏……僕を助けてよ……

伊藤 :うぅ…千夏……



(SE :学校の鐘の音 キーンコーンカーンコーン)

井坂 :なぁ、あいつ。朝からなんであんな暗いんだ?

田中 :え?私に聞かないでよ。気になるんなら、あんたが直接聴きなさいよ

井坂 :わかった!!行ってくる

田中 :え!ちょ、バカ!!

田中は井坂の襟の部分を掴む

井坂 :ぐぇ?!何すんだよ!!

田中 :馬鹿!あんたちゃんと考えなさいよ。今のあいつ見て大丈夫かどうかを

井坂 :大丈夫とは思わないからこそ、友人として気になるところだろ

田中 :それはそうだけど…

井坂 :じゃ、聴きに行ってくる

田中 :あ、ちょっ!!

井坂 :要ー。お前なんでそんな今日暗いんだ?何か嫌な事でもあったか?

伊藤 :?!、放っておいて!!

伊藤はそのまま外の方を向いた。そして、一粒の涙が流れ落ちた。井坂は田中の所に戻る

井坂 :なんなんだよ、あいつ

田中 :言われた通り、放っておいてあげな

井坂 :んー

伊藤 :……千夏

間(SE :学校の鐘の音 キーンコーンカーンコーン)

井坂 :なぁなぁ、放課後まで放っておいたが、一向に明るくなる様子ねーぞ

田中 :私に言わないでよ

すたすたと井坂は伊藤の傍に行く

井坂 :なぁ要。いいかげん元気取り戻せよー。何があったか知らんが、そんなんすぐ吹っ切れるって…

伊藤 :健吾に何がわかるんだ!!(被せて)

井坂 :そ、そんな怒鳴らなくてもいいだろ!!

伊藤 :僕の事は放っておいてよ!!

すたすたと帰宅する伊藤

井坂 :なんだよ、あいつ。人が心配してやってんのに感じわりーな

田中 :人には関わってほしくない時って言うのはあるのよ。あんたと違ってね

井坂 :なんだよ。まるで俺が無神経みたいじゃねーか。俺にだってデリケートな時くらいあるわ!

田中 :へー、どんな時よ

井坂 :そ、それはー。うーん……っは!告白して振られた時とかよ

田中 :そんだけ考えなきゃ出ないって…まぁいいか。でも本当に要。どうしたのかな?

井坂 :知るか

田中 :あんた根に持ってんの?

井坂 :そりゃそうだよ。人が心配してるってのにあんな態度とるんだからな

田中 :はぁ…もうちょいあんたは、要を理解しようとしてあげなさい

井坂 :はいはい、俺が悪いですよー



伊藤 :健吾に何がわかる何がわかる。放っておいてくれって言ってんだから放っておいてくれよ。

    健吾の馬鹿………千夏…千夏……なんで君がいないんだ。君がいない世界なんて…

    僕にとっては何の意味もない……

    ねぇ、千夏…僕も千夏の所に行っちゃダメかな?……

伊藤の目の前には、車が多く通っている(SE:車が通過する音)

伊藤 :千夏…今、そっち行くね

車が多く通っている道路に一歩一歩と歩いていく

(少し間)

畑中 :だめー!!

伊藤 :うわぁ!!

伊藤、押し倒される

畑中 :な、何しようとしてるの!

伊藤 :え?

畑中 :危ないですよ!車が通っているんですから!!

伊藤 :え?

畑中 :あ、ごめんなさい。いきなり押し倒して

畑中、立ち上がる

伊藤 :…え?

畑中 :ん?ちゃんと聞いてくれてます?

伊藤 :千夏…千夏!!

畑中のお腹あたりに、伊藤が抱き付く

畑中 :え?あ!ちょっ!!

伊藤 :千夏、千夏、千夏!!会いたかった、会いたかったよ!!

    …もう…僕を独りにしないで……千夏がいないと…僕は生きていけない

畑中 :え?千夏…さん?え?

伊藤 :千夏…どうしたの?

畑中 :そのー…私は、千夏さんって方ではないですよ?

伊藤 :え?…でも……

畑中 :私は畑中美羽です。その…千夏さんって方ではないです。あと…その……離してもらえると助かります

伊藤 :あ、ごめんなさい…

畑中 :いえ…

伊藤 :…

畑中 :…

伊藤 :その…もう一度確認なんですが、千夏じゃ…ないんですか?

畑中 :ごめんなさい。私は千夏さんという方ではございません

伊藤 :そう、だよね…千夏はもう…いないんだった……

畑中 :…よかったら、話してもらえますか?千夏さんの事

伊藤 :え、でも…そんな悪いですよ

畑中 :ここで会ったのも何かの縁ですから、お気にせず。えっと…お名前は何て言うんでしょうか?

伊藤 :僕は伊藤要と言います

畑中 :ありがとうございます。要さん、何も気にせずお話し下さい

伊藤 :…はい。ただここではなんですので、場所移動してもいいですか?

畑中 :えぇ。確かにここですと車の音がちょっとうるさいですからね

間(SE :歩く音)

伊藤 :ここから山に登るのですが、大丈夫でしょうか?

畑中 :あ、はい。大丈夫ですよ

間(SE :歩く音)

伊藤 :着きました

畑中 :ここは?

伊藤 :鴉山です

畑中 :へぇ。名前は聞いた事ありましたが、すごい景色綺麗なんですね

伊藤 :うん。千夏から教えてもらった場所なんだ

畑中 :思い出深い場所なんですね

伊藤 :うん…

畑中 :…千夏さんってどんな方なんですか?

伊藤 :千夏は…優しくて、頼りがいがあって、いつも笑顔で、いつも僕の事を心配してくれる。

    僕と何で付き合ってるんだろうと思う程良い彼女でした

畑中 :気になっていたのですが。千夏さんと…その、別れ…たんですか?

伊藤 :いいえ。でも、その方がよかったです…まだ、生きていてくれるのなら

畑中 :亡くなられたのですか?

伊藤 :…はい。交通事故で…

畑中 :そう…なんですか。ごめんなさい。その…辛い事思い出させちゃって

伊藤 :ううん。自分でもわかってるんだ。いつまでもひきずっちゃいけないって…千夏もそれを望んでいないって事も

畑中 :…

伊藤 :女々しい男ですよね?いつまでも亡くなった彼女の事を忘れられずにいるなんて…

畑中 :そんな事!!ないと思います…少なくとも、私は女々しい人だなんて思ってません。

    優しい彼氏なんだなって思います

伊藤 :ありがとう…

畑中 :千夏さん。幸せだったと思います。要さんと付き合えて

伊藤 :そう…信じたいね

畑中 :…

伊藤 :…

畑中 :…じゃ、ダメかな?

伊藤 :え?

畑中 :私が千夏さんの代わりになるじゃ、ダメかな?

伊藤 :何を言って…

畑中 :その…私もつい最近大切な人を無くして…まだ忘れられないでいて、苦しくなる時もあるんです…

伊藤 :…君もだったんだ

畑中 :うん。だから…その…

伊藤 :僕なんかでよければ…いいや、僕からお願い。こんな僕と付き合ってください

畑中 :はい

伊藤 :…

畑中 :…

伊藤 :そういえば、美羽さんはいくつなんですか?

畑中 :今年で17です

伊藤 :僕と同い年なんですね!ちなみに、学校は?

畑中 :白金学園(しろがねがくえん)です

伊藤 :あのお嬢様学校の生徒!!確かに、見た目に気品があるなとは思いましたが

畑中 :そんなお嬢様だなんて…。ちなみに、要さんは?

伊藤 :僕は黒々峰学院(くろがみねがくいん)です

畑中 :そうなんですか!近いですから、気軽に会えそうでよかったです

伊藤 :そうだね。…

畑中 :…あ!いけない!もうこんな時間だ。早く帰らなくちゃ!!

伊藤 :あー、そうだね。話してたら、あっという間に時間が過ぎてましたね

畑中 :あの!!これが私の連絡先です。あとでメールしましょ。…じゃ、またね

伊藤 :うん。またね



伊藤 :ただいま!

母 :おかえりなさい。…?

伊藤 :どうしたの?母さん

母 :なんでもないよ。もうご飯できてるから、早く着替えてきなさい

伊藤 :はーい

母 :…元気になってよかった



伊藤M :千夏、僕はまだ千夏の事を忘れられない。だけど…少しは前に進めるように頑張るよ

伊藤 :そうだ

伊藤M :伊藤要です。先ほどぶりですね。時間大丈夫でしたか?

畑中M :要さん。先ほどはありがとうございます。はい、大丈夫でした

伊藤M :よかった

畑中M :その…要さんがよければ今度デートしませんか?

伊藤 :やった!!

伊藤M :でも、こういうのって男の方から誘うのが普通だよな…ははは、情けないなー

母 :早く来なさーい。冷めるよー

伊藤 :はーい

携帯を部屋においていく



伊藤 :ご馳走様

母 :食器は水につけといてね

伊藤 :はーい

母 :そういえば、さっきすごい嬉しそうな声が聞こえたけど、何かいい事でもあったの?

伊藤 :な、なんでもないよ!じゃ、寝るから!!おやすみー!!

母 :(微笑)おやすみなさい

間(SE :扉の開閉音)

伊藤 :はぁ……あ、いけない!メール返信してなかった!!

あわてて伊藤は携帯を取る

伊藤 :?!、5件もメール来てる!!

畑中M :ごめんなさい。いきなりデート誘われるの嫌でしたか?

畑中M :嫌だったんですか。ごめんなさい

畑中M :ごめんなさい、本当にごめんなさい

畑中M :お願い、許してください

畑中M :嫌いに…なりました?

伊藤 :すごい心配してる!どうしよ…こういう時どうしたら…まずはメールの返信すぐしないとな

伊藤M :ごめん、ご飯食べててメール気づかなかったんだ。嫌いになんてなってないよ

伊藤 :ふぅ…一まずこれでいいか…

(SE :携帯の着信音)

伊藤 :はや!!

畑中M :よかったです…それで…その、デートの件よろしいですか?

伊藤M :もちろん。でも、普通男の方から誘うよね。情けないよね?

畑中M :そんな事ないですよ。私がデートしたいから誘ってるんです。

        では、今週の土曜日デートしてください!細かい事は後日言いますね

伊藤M :わかった。楽しみに待ってる。じゃあ、おやすみなさい

畑中M :はい!!おやすみなさい

伊藤 :言う?たぶんメールすると間違えたんだろうな(笑顔)



(SE :学校の鐘の音 キーンコーンカーンコーン)

伊藤 :みんなおっはよーう!

井坂 :おう。おはよう…

田中 :おはよう

井坂 :(小声)なぁ、あいつなんで今日こんな元気なんだ?

田中 :(小声)私がそんな事知る訳ないでしょ

伊藤 :?。二人ともどうしたの?

井坂 :い、いやいやいや!別にドウモシテナイゼー

田中M :あんた動揺隠しきれてないよ!

井坂M :仕方ねーだろ。いきなりで焦ったんだよ!!

伊藤 :ははは、変な健吾

自分の席の所に座る

井坂 :…なぁ、要

伊藤 :?、なに?健吾

(SE :扉の開閉音)

先生 :はーい。皆おはよう。席についてー

井坂 :なんでもねー。気にすんな

伊藤 :?、わかった

(少し間)

先生 :よーし、全員席に着いたな。今日は転校生の紹介からだ。入ってきて

(SE :扉の開閉音)

伊藤 :!!

先生 :自己紹介して

畑中 :はい。白金学園から転校してきました。畑中美羽です。

     慣れないことが多いと思いますので、みなさんよろしくお願いします

先生 :みんな仲良くするように。えっと、席は窓際のあの空いてる席な

畑中 :はい

(SE :歩く音)

畑中 :寂しかったから、会いに来ちゃいました(ぼそっと)

伊藤 :…

畑中 :ふふふ

畑中M :照れちゃって可愛い

(少し間)

伊藤M :こうして、僕と美羽の代替(だいたい)の恋愛が始まった

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